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column棟梁の想い

2025/12/20

「信頼できる大工が建てる」ということ— お抱え大工と家づくりの本質

こんにちは!堀田建築のスタッフです。
堀田建築の堀田棟梁の想いを熱く語る「棟梁コラム」!
今回は「お抱え大工」について棟梁に語ってもらいました!

皆さん「お抱え大工」という言葉を知っていますか?
多分40代以上のご年齢の方はご存知の方も多いかもしれませんが、現在この言葉が失われつつあります。
なぜ失われていっているのか、またなぜこのお話しなのか、棟梁に熱く語ってもらいましたのでお伝えしたいと思います!

「この家は、誰が建てたのか」

家づくりにおいて、最も大切なのに実は見落とされがちな「問いかけ」です。

間取りでも、内装インテリアでも、構造でもなく、その家に実際に手をかける“人”が、どんな思いで家づくりをしているか。

それによって、実は家の仕上がりも、住み心地も、将来の安心感も、すべてが変わってきてしまいます。

家づくりで本当に大切なのは、会社の規模でも、ブランド名でもありません。

そして、最新の設備や設計だけでもありません。

「誰が、この家を実際に“つくる”のか。」

ここに尽きると私たちは考えています。

お抱え大工とは?——“家を預けられる存在”がいる安心

■ 「お抱え大工」という言葉のルーツ

「お抱え大工」という言葉は、もともと江戸時代の武家屋敷などから使われていた言葉です。

日本の家づくりにおいて、「大工」は一家に一人いるような存在でした。文字通り、“抱えている=いつでも頼める”大工という存在です。

地域密着で何十年と暮らす家を、その土地の大工が手がけ、建てたあとの手入れや増改築も、ずっと同じ人に頼むのが当たり前の時代がありました。

そのお抱え大工は「◯◯さんちの大工さん」として親しまれ、家族構成の変化や暮らし方まで知ったうえで寄り添ってくれる、いわば「家のかかりつけ」のような存在でした。この関係性は、「お抱え大工」と呼ばれ、家主と職人が信頼でつながっていた、温かな文化でもありました。

■ 「お抱え大工」は、ただの”施工者”ではない

お抱え大工の本質は、“施工技術の高さや、対応力”だけではありません。それ以上に大切なのは、家主との信頼関係です。

暮らしの背景、家族の変化、家のクセ、土地柄や風土まで理解した上で、「うちのことを一番わかってくれている人」に頼めるという安心感です。

たとえば──

・玄関の引き戸が少し重い → 微調整してスムーズに

・子どもが大きくなったので壁を増設 → 過去の構造を把握しているからこそ可能

・親世代の建てた家をリフォーム → 図面がなくても大工の記憶が頼りになることも

こうした「家の歴史を知っている人」がいてくれることは、住み続けるうえで何よりの安心材料です。

 なぜ「お抱え大工」という言葉が失われつつあるのか?

その理由は、昭和後期から平成にかけての住宅業界が大きく変化

近年は、住宅の建築が分業・外注化され、誰が施工するのか、誰がメンテするのかが見えにくくなりました。量産住宅・工業化住宅の波が押し寄せ、大工の仕事も工場生産に組み込まれていきました。

家の建て方も「プレカット」や「2X4工法」の流行で、大工技術を持たない職人も品質や安全性はおいておいて、パズルのように組み合わせていくことで家を建てることができるようになりました。

特にハウスメーカーでは、本社や地域の支店で契約し、実際の工事は地元の下請け大工、アフターサービスは第三者機関やシステム化された別会社……ということも多く、施主にとっては「誰に相談すればいいのかわからない」状態に陥りがちです。多くは「契約」=「安心」と捉えがちですが、実際に現場で工事を担当するのは、自社の大工さんではなく、地域の外部業者や下請け職人であることが大半です。

現場で施工を行う大工が「下請け・孫請け」構造の末端に位置づけられ、責任の所在がはっきりしないまま家が建っていくことに。

・完成後に不具合が出ても、誰が施工したか不明

・設計者の意図が現場に伝わっていない

・手直しやメンテも、別の業者が対応してきてしまう

こうした「つくり手不在」の家づくりが当たり前になり、大工は“現場の作業員”としてしか認識されなくなっていったのです。

実際、インターネットやSNS上の情報だけでなく、実際に堀田建築にお客様から「大手に依頼して家は建ったけれどどこもボロボロで、注文住宅とは思えない」「現場は立ち入り禁止で、どんな人が建てているかわからなくて不安だった」「施工が素人でみても不満。自慢の我が家とはいえない、気になるところばかり」とご相談されることもあります。

もちろん、分業体制がすべて悪いわけではありません。ただ、「自社で設計・施工・アフターを一貫して担っている」という印象と、「実際に現場で施工する人との接点がない」という実態には、ギャップがあることは確かです。

 堀田建築が、今あえて「お抱え大工」という言葉を使う理由

私たち堀田建築は、家を建てる“人”にこそ、最大の価値があると考えています。

営業・設計・施工・メンテナンス、どのフェーズにも“顔”があり、責任を持ってつなぐ。

その中心にいるのが、「お抱え大工」です。

それは、安さやスピードでは代えられない、大きな価値。

私たち堀田建築と出会うお客様には安心して暮らして欲しいし、信頼していただいて家のことをすべて任せていただきたいと思っています。

 堀田建築の「お抱え大工制度」とは?

私たち堀田建築では、この“お抱え大工”の考え方を、現代の住宅に取り戻したいと考えています。

その想いから生まれたのが堀田建築の「お抱え大工制度」です。

これは単に「専属の大工がいる」というだけではなく、

設計・施工・アフターメンテナンスすべてを、堀田建築と信頼でつながった“職人チーム”が担当する仕組みです。

私たちは、

  • 家の仕上がりだけでなく、つくる過程も誠実に
  • 一生涯、アフターメンテナンスも一貫して責任を持つ
  • 顔が見える関係で、お客様との信頼を第一に

という価値観のもと、「お抱え大工制度」を運用しています。

「誰が建てたか」が、将来の安心をつくる

お引き渡し後も、住まいには暮らしの変化や経年変化がつきものです。

子どもがドアを壊してしまった、新たに外構をリフォームしたい、玄関ドアの建てつけが悪くなってきた、トイレがつまってしまった、新しく造作収納が欲しい、ウッドデッキをつけたい。

そんなとき、知らない業者が突然訪れるのではなく、「あの時の大工さん」が対応してくれる。

それだけで安心感が全然違います。

堀田建築では、お引き渡し後のお家のメンテナンスも、同じチームが責任をもって継続しています。

現場を知っているからこそ、判断が早く、修繕も適正。

何かあればすぐに駆けつけられる体制があるからこそ、家そのものの“寿命”も大きく変わってきます。

「安くやってくれるんでしょ?」を、やめませんか?

時折、こう聞かれることがあります。

「大工さんなら安くやってくれるでしょ?材料から仕入れてるからできるよね?」

「ちょっとだから、タダで直してくれるよね?」「いつもやってくれるし、堀田さんなら簡単でしょ?」

でも、それは違います。

堀田建築の大工は、ただの“大工や職人”ではありません。

一棟の家に魂を込めている“工匠”で、全員が何十年と技術を培い経験を積んできた家づくりの「プロ」です。僕ら、そして堀田建築の大工・職人の腕と知恵、経験、誇りがあってこそ、丈夫で美しい家ができています。

技術だけでなく、国産木材の中でも特に品質の高い木材を堀田建築では仕入れ、何年も天然乾燥させて、大工が1本1本、その家のために丸太から柱、梁、棚や造作などに刻んで加工していきます。

だから、美しくなめらかな木肌が生まれ、素肌で触れたくなる材料に変わり、いい香りに包まれる清々しい家が誕生します。

堀田建築株式会社は、その家づくりを手がける大工と職人の技術に敬意を払い、適正な報酬を支払い、一緒に家をつくるパートナーとしてリスペクトしています。

お施主様に対しても、「儲けよう」ではなく「いい家にしよう。”自慢の我が家”だと言ってもらえるような家に安心して住んでもらいたい」と思って提案しているので、適正価格でご提案しています。

ご家族の暮らしを「家づくり」を通じて守り続けるために必要な一定利益以上はいただいておりません。

だからこそ、お施主となられるみなさんにも、同じように敬意と礼儀を持っていただける関係でありたいと願っています。

■ 家を建てた「大工」との関係を大切にしてもらいたい

家は、「ただ建てて終わり」ではなく「完成してからが本当の家づくりの始まり」です。

だからこそ、お抱え大工という存在は今でも必要だと私たちは考えています。

むしろ、複雑化した住宅事情の今だからこそ、“信頼できる顔の見える大工”との関係性が、お客様にとって大きな安心につながるのではないでしょうか。

一緒に家を育てていくパートナーとして。

何かあればすぐに頼れる、暮らしのそばにいる存在として。

あなたの家にも、そんな「お抱え大工」を持ってみませんか?

“顔の見える関係でつくる家”には、目に見えない安心があります。

それが「お抱え大工制度」で、そして、それが堀田建築の家です。

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