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column棟梁の想い

2025/11/27

数字では測れない「本当に強い家」──耐震等級3と堀田建築の家づくりの違い

こんにちは!堀田建築のスタッフです。

堀田建築の堀田棟梁の想いを熱く語る「棟梁コラム」!

今回は住宅建築における「地震対策」について棟梁に語ってもらいました^^

近年、どのハウスメーカーや工務店も「耐震等級3レベルで、病院と同じぐらいの耐震性で安全!」と謳っているのを目にしますよね。

でも「本当に倒壊しないのか」、「地震があった時に家が一番安全なのか?」ってわからなくないですか?

今回はそんな地震対策について、切り込んでいきたいと思います!

1. はじめに:家づくりにおける“強さ”とは何か?

近年、地震への備えとして認知が高まっている「耐震等級」。その中でも最高等級とされる「耐震等級3」は、多くの住宅会社がセールスポイントとして掲げる数値です。
しかし、家の強さは「数字」だけで測れるものなのか?
この問いに、堀田建築は正面から向き合ってきました。


この「耐震等級」はあくまでも設計図面上や構造計算上なだけで、実際に震度6や7を観測する様な大規模な地震が起きた際に、家族を守れる役割を担うことができるのか。


堀田建築がつくる家には、耐震等級3のような“等級表示”はありません。

それでも、私たちは胸を張って「本当に強い家」をお届けしています。
今日の棟梁コラムでは、耐震等級の仕組みや限界、そして堀田建築が長年培ってきた“設計を超える技術”について、専門的な視点も交えてご紹介します。

2. 耐震等級とは何か?──制度の仕組みと限界

▍耐震等級とは「設計上の強度基準」

耐震等級は、住宅性能表示制度(国土交通省管轄)に基づき、住宅がどれだけの地震力に耐えられるかを「設計上」評価するための指標です。

等級内容
等級1建築基準法レベル(震度6強で倒壊しない)
等級2等級1の1.25倍の耐震性(学校・病院レベル)
等級3等級1の1.5倍の耐震性(消防署・警察署など防災拠点)

重要なのは、この等級はすべて設計図面や仕様書上での計算値であること。

実際の施工や使用する木材の品質、職人の腕までは評価対象になっていません。

▍等級3だから「安全」とは限らない理由

国が定める最高等級である「等級3」も、現場の施工が杜撰であれば本来の性能は発揮されません。

実際、国交省や住宅瑕疵担保責任保険法人の調査でも、耐震等級3を取得した建物の一部に「筋交いの施工ミス」「金物の未設置」「構造用合板の留め不足」などの重大な施工不良が確認されています。つまり、等級3は「基準」であって「保証」ではないのです。

3. 耐震等級と実際の被害データ

▍耐震等級3でも“無傷”とは限らない

耐震等級3は設計上の強度指標として非常に有効な基準ですが、実際には“完全無被害”を保証するものではありません。

国土交通省の被害分析報告書によれば、新耐震基準以降の木造住宅で倒壊・大破した住戸の中には、接合部の仕様が不十分であったものが複数確認されているという記録があります。

ソース:https://www.mlit.go.jp/common/001287789.pdf

また、日本建築学会の被害報告でも、倒壊・崩壊した住宅(合計107棟)のうち、構造部の接合仕様に不備が疑われるものがすべて含まれていたという所見が記されています。

ソース:https://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/data/173/7.pdf

一方、熊本地震を対象に行われた学会悉皆調査では、耐震等級3を取得していた16棟の住宅のうち、14棟が無被害、2棟が軽微な被害という結果が報告されています。

ソース:https://www.mlit.go.jp/common/001155088.pdf

この実例からも、等級3であっても被害をゼロにできるわけではない、という現実を読み取ることができます。

こうした調査結果から分かるのは、設計で等級をとることと、実際に強い構造をつくることは別の次元であるということです。

▍施工品質の差が被害を分けた

同じ地域、同じ地盤条件でも「誰が、どう造ったか」で明暗が分かれる。

これは、地震後の被災住宅を比較すると顕著に見えてきます。

「設計図の数字」ではなく「現場の技術力」が家族の命を守った。

そう言っても過言ではありません。

4. 堀田建築の強み①:数値では測れない“手刻み”の技術

▍一本一本の木と「対話」する

堀田建築では、プレカット(機械加工)に頼らず、大工が一本一本の木材を見て、触って、刻む「手刻み」を行っています。

これは単なる“こだわり”ではなく、木材がもつ「クセ」や「まがり」、「密度」を最適に活かすための必然です。

具体的には:

  • 節や曲がりを見て、墨付けをミリ単位で調整
  • 木目の方向を読んで、継手や仕口の形状を最適化
  • 柱や梁が“組んで”はじめて力が流れる構造体になるよう計算

こうした工程は、設計図や構造ソフトだけでは絶対に表現できません。

▍古来から続く「社寺建築」の強度を現代住宅へ

手刻みは、社寺仏閣や古民家再生において何百年と受け継がれてきた技術です。

たとえば、法隆寺(約1400年前)や伊勢神宮のような構造物は、金物を使わずに木だけで組み上げ、地震や台風に耐えてきました。

堀田建築は、こうした「木を活かす知恵」を、現代の住宅づくりに落とし込んでいます。

5. 堀田建築の強み②:自然乾燥材と呼吸する構造

▍「無垢材」×「自然乾燥」が基本

プレカット住宅では、工場で作られた集成材や乾燥不十分な木材が使われることもあります。

それに対し堀田建築では、自然乾燥させた国産の無垢材を使用。

これにより、木がもつ「美しさ」「弾力性」「調湿性」「経年変化への耐性」を最大限に活かします。

▍木が呼吸しながら、地震エネルギーを逃がす

木は生きています。湿度に合わせて伸び縮みし、揺れに対して「しなやかに受け止めて逃がす」性質を持ちます。

これが、手刻み+無垢材の住宅が「構造が崩れないだけでなく、何度も起こりうる余震にも耐えられる」理由なのです。

結果として、堀田建築が建てる家は地震に対し「家族を守るシェルター」になりうることができるのです。

6. 堀田建築の強み③:大工による「責任施工」

設計図だけでなく、現場での精度と判断力が建物の強度に直結します。

堀田建築では、すべての現場において熟練の大工が「一邸一邸に向き合って施工」しています。

  • 同じ木材でも、力の流れを見て配置を変える
  • 柱と梁の接合部を現場で微調整する
  • 墨付けから刻み、建て方まで一貫して担当する

これは、プレカット+下請け任せの大量生産型住宅では決してできない“本物の現場力”です。

7. 等級3が不要ということではない──設計と現場の“二刀流”が理想

もちろん、設計上の耐震性能を確認すること自体は重要です。

むしろ、設計時に壁量・バランス・水平構面などのチェックを行うことは、最低限の備えです。

しかし、それだけでは足りないと思います。

設計×現場の両方に責任を持ち、「数字」と「技術」を統合できる体制こそが、真の強い家を生むのです。

8. 実際の構造見学会・完成見学会で確認を

堀田建築では、構造見学会や完成見学会を定期的に開催しています。

「耐震等級3認定」は付きませんが、

  • 無垢材の力強さ
  • 継手の美しさ
  • 木組みの立体感
  • 組み上がった骨組みの迫力

を、目で見て、肌で感じることができます。

家の強さとは、図面に書かれた数値ではなく、実物に宿る説得力なのです。

9. 数値を超えた安心──堀田建築がつくる“本当の強さ”

まとめると、

比較項目耐震等級3の家堀田建築の家
根拠設計図・構造計算室町時代から続く、大工の技・高品質な木の選定・手刻み(法隆寺など)
材料集成材・プレカット無垢材・自然乾燥・手刻みプレカットの柱や構造材の太さ
接合部金物中心継手・仕口+必要最小限の金物
対応力一律一邸一邸に最適化
耐震性理論上の最大値実際の構造耐力・しなやかさ

数字に頼らず、職人の技で家族の命を守る。

これこそが、堀田建築がつくる家の「真の強さ」です。

堀田建築の「安心の技術」に関しては、こちらもご覧ください。

10. 最後に──なんのために、だれのために家をつくるのか

家をつくるという仕事に、私たちは一生をかけています。

一生のうちに、私たちが出会える数には限りがあります。

だからこそ、一棟一棟に全力で、まっすぐに向き合いたい。

数値では表せない“安心”を、

書類には載らない“美しさ”を、

なにより、お客様の“暮らしを守る本当の家”を届けたい。

「あなたのために、あなたの家族のために」

それが、堀田建築が今日も「安心・安全」を基準にした家をつくり続ける理由です。

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