2025/08/29
森を守り、暮らしを守ること
こんにちは!堀田建築のスタッフです。
堀田建築の堀田棟梁の想いを熱く語る「棟梁コラム」。
今回は、私たち堀田建築の家づくりと「森を守る」ということについてお話ししたいと思います。 一見すると、家を建てることと森を守ることは相反するように感じられるかもしれません。 でも実は、地域に根付いた大工には“地域の森を守る”という、とても大切な役割があるのです。

近隣地域の木を使う。それは、地域を活かすこと。
堀田建築では、三河の木材(国産材)や東濃地域の木材を使った家づくりを行っています。 それはなぜか?
木には「育った土地に合う力」が備わっています。 たとえば、冬は大雪、夏は猛暑の地域では寒暖差がありますよね。その中で十分に水を吸い、光を浴びながら育った木は、同じく寒暖差の激しい地域に強く耐久性の高い木に育ちます。傾斜のある山の斜面で太く大きく育った力は、ねじれがある強い木に育っています。
日本は高温多湿な島国で、地域ごとに風土の違いがあります。 風の強いエリア、雨の多いエリア、乾燥するエリアなど。
そうした土地の環境に耐え、何十年も生きてきた木は、 まさにその土地の暮らしに一番合った素材なのです。
「遠くから木を取り寄せる」のではなく、「地域で育った木を、地域の家づくりに活かす」ことを大切にしています。「国産材なら何でも良い」というわけではなく、豊川・蒲郡・豊橋を中心に東三河地域で家づくりをする私たちは、なるべくこの東三河地域で育った木や、建てる土地の状態から適材な木材を選定しています。

木を使うことは、森を守ることにつながる
木を大量に使うと、森が禿げてしまうんじゃないか――。 そう思われる方も多いかもしれません。 でも、実はその逆なのです。
森は、適切に“伐って・使って・育てる”ことで健康に保たれます。
人の手が入らず放置された森は、木が密集しすぎて地面に光が届かなくなり、 下草が育たず、水が溜まりにくくなり、やがて山崩れの原因になります。
でも、間伐(間引き)や伐採を適切に行うことで、森に光や風が通り、 山全体の環境が整い、自然災害への耐性も高まるのです。つまり、「木を使うことは、山を整えること」。 それは、私たちができる森への恩返しでもあるのです。

森を守ることは、地球を守ること
堀田建築では「人に優しい家」をつくることを大切にしています。私たちの「人に優しい」は、実は「環境にやさしい素材」でもあるのです。
例えば、“エコな素材”として輸入材を使っていたら?
海外から木材を輸送する過程で、多くのCO2が排出されます。 いくら木材そのものが自然由来でも、その運搬が環境を汚してしまっては本末転倒です。
だからこそ、堀田建築では
- 輸送エネルギーを抑えられる地域材
- 植林〜伐採〜利用のサイクルが見える地元の山材 を選びます。
川上(山)から川下(まち)へ。 木を使うことは、山を活かすことになり、人を守り、森で生き物が育つ。
そうした循環の中に、私たちの家づくりはあります。

無垢材を使うこと=未来の地球への配慮
多くの住宅会社が使っている集成材は、木材を接着剤で貼り合わせたものです。 整った見た目で加工しやすく、コストも抑えられます。
でも、集成材は“自然な木”ではありません。 ボンドで貼られているため、一度濡れてしまうと再利用が難しく、 処分の際には化学物質が含まれる産業廃棄物となる可能性があります。
一方で、無垢材は100%自然素材。 木のいい香りや温もりを感じる手ざわりが心を落ち着かせるだけでなく、 再利用・リサイクルがしやすい、循環する素材です。
端材(切れ端)でさえ、薪やチップと燃料として利用できるため、 建築時に出るゴミを最小限に抑えることができます。

地域の木で、地域を守る家を建てる
堀田建築がこだわっているのは、ただ「国産の高品質な木材を住宅につかう」のではなく、 「木と人と土地が調和し、未来をつくっていくこと」です。
地元の木を使うことは、地元の山を守り、川を守り、街の空気と水を守る。 それは、ご家族の健康を守る家づくりにもつながります。
「木を使う=木を育てる」 。そんな循環の中にある家づくりを、 私たちは誇りをもって続けていきます。